幻想の夢
―第一話 第四章 I―
著者:白良


「魔法……魔法か……」

 シャルルとリインが部屋から出て行ってから、残された私は一人つぶやいた。
 私のような一般人に魔法は扱えない。いや、扱い方を知らないのだ。
 あの小賢しいガキに教えを請うなど、断固拒否だ。しかし、先ほどと同じ作戦、同じ兵力では、また”あの男”に返り討ちにされてしまうだろう。

「魔法……」

 しかし、我々の武器では到底ありえない力。科学では成し得ない力を、魔法は持っている。少なくとも私はそう思っている。

「ふふ……ふはははっ……」
「ど、どうなさいましたか。将軍」

 突然笑みを浮かべた私を、近くにいた部下が心配そうに見た。
 私は部下を一瞥し、言った。

「全員をすぐに集めろ。……魔法の知恵を借りるぞ」


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