「魔法……魔法か……」
シャルルとリインが部屋から出て行ってから、残された私は一人つぶやいた。
私のような一般人に魔法は扱えない。いや、扱い方を知らないのだ。
あの小賢しいガキに教えを請うなど、断固拒否だ。しかし、先ほどと同じ作戦、同じ兵力では、また”あの男”に返り討ちにされてしまうだろう。
「魔法……」
しかし、我々の武器では到底ありえない力。科学では成し得ない力を、魔法は持っている。少なくとも私はそう思っている。
「ふふ……ふはははっ……」
「ど、どうなさいましたか。将軍」
突然笑みを浮かべた私を、近くにいた部下が心配そうに見た。
私は部下を一瞥し、言った。
「全員をすぐに集めろ。……魔法の知恵を借りるぞ」
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