幻想の夢
―第一話 第五章 @―
著者:蒼夜


 今日、フランシスが幻想に触れた。母さんから教えてもらってた、私よりも一カ月も早い
 早くに父さんたちをなくしたけど、フランは優しい男の子に育ったから。彼らを、彼女たちをこうも早く知れたのだろう
 とても嬉しい。少し妬けてしまうけど……
 私は、姉として、両親の代わりとして、ちゃんとフランを愛せた証拠だから
 本当に、本当に嬉しい
 この想いが、フランの優しさが。私たちの心に、ずっと……ずうっと残りますように……

――――ただ、フランは優しすぎるから……


 ねぇ……一つだけ約束よ
 たとえ、何があろうと、人の前でその力は
――


 あの約束を、破ってしまうかもしれないけれど


緋月の年 第七の十六夜日 魔術記録枝
記者:審判者エリーゼ=クロウリー









第十の十二夜日
P.S.最愛の弟をよろしくお願いします、ミドガルズオルム


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