今日、フランシスが幻想に触れた。母さんから教えてもらってた、私よりも一カ月も早い
早くに父さんたちをなくしたけど、フランは優しい男の子に育ったから。彼らを、彼女たちをこうも早く知れたのだろう
とても嬉しい。少し妬けてしまうけど……
私は、姉として、両親の代わりとして、ちゃんとフランを愛せた証拠だから
本当に、本当に嬉しい
この想いが、フランの優しさが。私たちの心に、ずっと……ずうっと残りますように……
――――ただ、フランは優しすぎるから……
ねぇ……一つだけ約束よ
たとえ、何があろうと、人の前でその力は――
あの約束を、破ってしまうかもしれないけれど
緋月の年 第七の十六夜日 魔術記録枝
記者:審判者エリーゼ=クロウリー
第十の十二夜日
P.S.最愛の弟をよろしくお願いします、ミドガルズオルム
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